親だからこそ・・・
11/26に、育成会の中学校部会主催の勉強会に講師として呼んでいただいた。小学校、中学校の発達学級に在籍している子供さんのご家族で27名が参加された。
健常者の将来は、何十年後であっても、自分が来た道、行く道だから当然わかっている。だが、障害を持った子供の将来のイメージを掴むことは非常に難しく、自分とセットで物事を考えがちになっている母親は、不安で不安で仕方がない。だから、学校以外の情報を得たいという気持ちは本当に強いと思う。
私が話をさせていただいた内容は、
①国の方向性、県の取り組み、市の動き
②ジョブコーチは家族支援でどんなことをしているのか(事例紹介)
③企業が雇用しないのは何故?では雇用している企業の理由は?
④企業はどんな人を求めているの?
⑤実際にどんなところで働いているの?(映像で紹介)
⑥地域にでて暮らすといくらかかるの?親はどれだけお金を払い続けるの?
⑦就労に向けてどんなことを意識していけばいいの?
途中で質疑応答も加え、2時間半、盛り沢山の内容になった。
でも私が、伝えたかったのは三つ。
一つ目は関先生の言葉、
“人は一定の年齢がきたら当たり前に働くんだ”
この意識を親子共に持ちながら生活することが大切だということ。
二つ目は、障害を持っていたって、思春期になれば、親は「うざい」存在になる。だから、「一緒に死ぬからいい」 そう頑なに思っているお母さんは、考えを変えて欲しいということ。
そして、三つ目、我が子を地域社会に出し、人の手に委ね、お母さんも幸せになろうよ、なれるんだよ。これはいつも呪文のように自分にも言い聞かせている。
三日後感想が届いた。
・母親としての子供への関わり方と、意識の置き方を再度教わり心強くなり、希望を持つ方法を教えて頂けたと思います。
・就労に向けて何をしていけばいいのか、まだ何も知らなかったので、就労移行支援事業所や就業・生活支援センターの存在を今回初めて知りました。
・一般就労できるようになるかまだまだ先が見えないのですが本人に働くことをもっともっと意識してもらおうと思っています。
・今家の子供は中2でまだ就労という実感もなく、先もよく分からない状態です。学校以外の相談窓口がないので、卒業後は不安に感じてましたが今日のお話を聞いて心強く感じました。
お母さん達が、少し安心感を持てたなら私は本当に嬉しい。母親が元気がないと子供も不安定になる。私がすべてやらなければと背負い込んだり、助けはもらえないと母親が孤独にならないように、社会全体で支援しなければいけない。親だからこそできること、親だからこそできないこと・・・当然ある。それを自覚して、よい支援者を見つけて欲しい。
そして支援者は、母親の不安を、ひとつひとつ丁寧に消していく作業を通しながら信頼を得て、「あなたとなら、また少しくらい苦労してもいい、頑張ってみる。」 と、母親に思ってもらえる、そんな支援者になって欲しい。(み)
当事者の親であり、支援者でもあればこその実感できる内容だったと思います。
ある施設の指導員さんが保護者と話していた時「私の命日がこの子の命日」と当然のように思っていて絶句したという話を聞きました。
私たちには、はかりしれないさまざまなご苦労があるとは思いますが、そんな親たちのためにも是非水野さんのお話を聞かせていただきたいと2月を心待ちにしています。特別支援学校だけでなく福祉施設の親にも聞いて欲しい内容ですね。
はじめまして。
特別支援学校で進路を担当しているものです。
当たり前のことですが、本人に働く気が無ければ何もはじまりません。
「この子は作業が出来るから・・・。体力があるから・・・。」
障害者雇用を希望される保護者から、毎年お聞きする言葉。もっと早く社会人になることを意識した支援を行っていれば就労のチャンスが増えたのにと思います。
保護者が就労すべき年齢になったときのイメージを持てる。そのための支援をして行く。そんな様になるように、日々試行錯誤です。
コメントありがとうございます。
親は、自分の子供が社会に出た時に、どんな事で躓くのかが本当にわかり難いものです。実際、私も自分の子供が実習した時に、私自身、あまりにも客観性のないことに唖然としました。
家族ではできないこととして、①就労場面での客観的な状況把握②職業面での正確な能力把握③家族の望まれる支援の把握、等のお話を講義の中ではさせていただいています。お母さんに最も理解していただきたい点だと思っています。
今年後期に3校と1団体から計7名の実習生を受け入れました。体験実習とはいえ親御さんの期待をひしひし感じました。しかし全てを受け入れる器はありません、一段と厳しくなった世の中の情勢を睨みながら、障がいだからという甘えを捨てて、やる気・元気・へこたれずをモットーに荒波に向かって欲しいと願うばかりです。頑張れ!!。
ミッテルフルスさんコメントありがとうございます。
派遣切りが問題になっている昨今、障害者とて同じこと。先日、支援していた障害者が、この不景気で雇用がどうなるかわからないという話しをしてきたばかりです。所長さんは「彼は戦力になっている。だから継続できるように社長に訴えるつもりでいる。」と真剣に彼の今後について話しをしてくれました。自分が移動になるが、本人がついてくるといえば連れていきたいとも。しかも移動先には彼ができる仕事があるんだとも。所長さん本人も、凄く大変な中、一番に彼の事を考えてくれている、私達は感激しました。そして真剣に、今支援者の私達が彼にできることはなんだろうかと話し合いましたが、会社の方針がでないことには具体的に動けないのかと無力感も感じたりしています。