Uさんが事務所に来て、もうすぐ5ヶ月になる。随分とお互い慣れてきたようで、私達と3人で仕事をしている時の事務所の空気も、なんだか居心地がいい。Uさんに実感はないと思うが、緩衝的役割も担ってくれている。支援方法の話し合いの時に、意見が対立することもある。そんな時は、いやぁ~な空気が漂う。煮詰まる二人の会話もUさんの一言で和んだりする。

 先日、Uさんのお母さんの手記を読み、改めて、事故後高次脳機能障害になり社会復帰するまでの大変さを知った。

 その中の    “ 夜中に息子が「お母さん、僕の頭、事故の前の脳に取り替えて。」と泣きながら訴えます。”     “ ・・・でも、周りの人は「お母さんが頑張らないと。」と言います。その言葉を聞くたびに『これ以上私に頑張れというの。』と思い涙が出て止まりませんでした。”   というところは、本当に心が痛かった。どんなに辛かったのだろう。

 前の会社で、周囲の無理解の為に痛い目にあってきたUさん。初めの頃は会話の時にも凄く緊張し、身構えている様子があった。そして、少し慣れた時に、「同じ事を何回も質問されて嫌ではないですか?」「みんなが笑っているときに笑えなくて変に思いませんか?」「そんな事も知らんのかと思うことがないですか?」など、前に言われて傷ついてきたことをはき出すようになってきた。そのたびに「全然気にならないよ。」「分からない事は何回も聞いてね。」を繰り返した。

 私の対応が不味い事も多々ある。「それでさぁ。Uさん」と話しかける。Uさんの眉間にしわが寄る。(これは困ったときの癖)あっ、何かが良くない。そっか、それでから始めるとその前に何かを話されていると思うのか?それで困っている。!「ごめんね。」と直ぐ謝る。やり取りの中で、いろいろな事を学ばせてもらっている。

 この環境は安心できると思ってくれているのかな?!少しずつ表情も軟らかくなり、笑顔も増えたようだ。この笑顔が、子供のように無邪気で事務所がぱっと明るくなる。

 私の仕事をシェアしてくれるようになり、非常に助かっている。安心して現場に向かう事ができる。

 もう一人高次脳の人を雇用できたらいいね。私達は今そんな事を話している。

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